はっきり言ってこの記事はマニアックです。
月刊アスキーがとうとう終わったからか、何となく昔のPCの基板の写真を雑誌やWebで見たりするわけだけど、80~90年代のPCの基板と今のPCの基板の違いにお気づきか。構成部品の数が違うのは決定的な違いだけど、今回は基板の上に載っている構成部品の違いに注目したい。一番大きな違いはアルミ電解コンデンサの有無だ。
昔のPCは基本的に電圧レベルがいわゆるTTLレベル、5V単一で構成されており、シリアルポートやFDDやHDDのようなモーターを持った回転物が12V 電源を使用しているのみだった。このため基板上はIC, LSIがほとんどで、ノイズ対策のためのセラミックコンデンサぐらいしかコンデンサは存在していない。一方今の基板ではメモリや周辺LSIの定格電圧も3.3Vに低下していたり、CPUにおいては1.数Vという低電圧になっており、PCの電源装置はこのような電圧を供給できないので、基板上に電圧降下回路を持っている。そして、この電圧降下回路で電解コンデンサが使われるようになってきている。
問題はそこで使われるアルミ電解コンデンサで、一般的にアルミ電解コンデンサは中に電解液というモノを持っているのだが、この電解液は薬剤であり、経年劣化するので、アルミ電解コンデンサは消耗品と見なされる。おまけに基板上のアルミコンデンサの配置を見ると、一番の熱源であるCPUの間近に置かれており、コンデンサの寿命を短くする方向に設計されている。(これはCPUに電源供給する回路で使用されているからで仕方がないけど)
このため、かつてのPCの基板はかなり長寿命(シリコン半導体の劣化など人間の寿命以上だ)で、電源の供給さえ何となれば数十年使用し続けられる可能性があるのだが、今のPCの基板はおそらくそんな長寿命ではない。がんばっても10年というところだろう。したがって長寿命の装置(の一部)としてPCを使用する場合には十分に留意しておいた方がいい。世の中多くの人が思っているより、そしてPCや基板の設計者が思っているより長い間使用され続けたりしているし、案外そういうものが社会基盤を支えていたりする。
構成部 ...